TiCN(TiN膜を越えたTiCNセラミックコーティング)

TiCNはTiNを越えた優れたチタンコーティング膜です

TiCN膜は、高硬度で低摩擦という特性をもち、しかも強い密着力をもつセラミックコーティング膜です。高硬度で高粘性の難削材切削加工をはじめ、難加工材の抜き、曲げ、絞り加工に、また摺動条件の厳しい機械部品への適用が拡大しています。

※日本コーティングセンター(株)製品

TiCN膜の特性

種類TiCN膜TiN膜
硬度 (HV)3,000~3,5002,000~2,500
摩擦係数(μ)0.12~0.150.4~0.45
バイオレット~ブラックゴールド
膜構造多層
膜厚(μm)1~51~5

TiCN膜の用途

切削工具1.焼入鋼、ステンレス鋼、その他特殊鋼の切削加工。
インコネル、ハステロイ、ステライトなどの難削加工。
ブラス、高Si-Al合金、グラファイトなどの非鉄金属の切削加工。
2.加工速度のアップ、チッピングの防止、仕上面の向上、ビビリ防止などに好適です。
3.特に超硬度エンドミル、ドリル、チップ、粉末ハイスの切削工具に有効です。
金型1.ステンレス、SNCM材などのねばい材料やAl、ブラス、チタンなどの非鉄金属材料の打抜き、絞り、曲げ、ヘッダー、成形などのプレス金型に。
その他1.厳しい条件下の樹脂成形周辺部品や機械部品などに。

TiCN膜の適用材料

1.超硬合金及び超硬合金ろう付品
2.高速度工具鋼

粉末ハイス:ASP23、30、HAP10、20、40、DEX20、40
溶性:SKH51~57

3.冷間ダイス鋼

SKD-11、12、
SKD-11相当品:DC53、SLD8、HPM31、PD613など

4.その他

熱間ダイス鋼、プレハードン鋼、マルエージング鋼、非鉄金属など

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TiCN多層膜断面写真(例)