CVD(Chemical Vapor Deposition)セラミックコーティング概要
CVDは高温でTiC,TiCN,TiNをコーティングし、強固な膜を生成します。
苛酷な条件下にも耐えるセラミックコーティング
CVD法(化学蒸着法)は、高温炉に各種化合物をガス状で供給し、処理物表面に超硬質のセラミック化合物を化学的にコーティングさせるプロセスです。
熱化学蒸着法により各種機能性セラミック膜を、高温度(900~1100℃)で単層又は多層コーティングし、得られた高硬度、高密着力セラミック膜により素材の性能を飛躍的に向上させます。
色調 | ダークゴールド |
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膜厚 | 5~8μm |
密着力Lc値 | 90N以上 |
硬度HV | 3000~4000 |
摩擦係数 | 0.25~0.45 |
適用 | 耐摩耗性・耐焼付性・耐熱性・耐腐食性 |
CVDセラミックコーティング加工の特徴
複層多重被膜
炭化物(TiC)、窒化物(TiN)、炭窒化物(TiCN)など超硬質セラミック化合物を単層に、または複層にコーティングができます。そのため、被膜機能が一段と充実します。
高密着性被膜
900~1,100℃の高温下でコーティングするため、セラミックと処理物表面との間で原子拡散が活発に行われます。そのため、被膜の密着性は強固です。
良好なつきまわり性
気相での化学反応が本法の特長です。そのため、複雑な形状をもつ機構部品や細孔内部へも、まんべんなく、均一にコーティングができます。
CVDセラミックコーティング加工の適用例
金型 | 冷間鍛造用金型、フォーミングパンチ・ダイ、ニブ、トリミングダイス、サイジングダイス、曲げダイ、絞りパンチ・ダイ、抜パンチ、トリマーダイス、プラスパンチ、バーリングパンチ、コイニングパンチ、刻印、マンドレルダイカストピン、入子ピン、押出ダイス |
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切削工具・刃物 | 超硬チップ、バイト、パイプ切断刃、カッター、チェザーチップ |
機械部品 | 基準ピン、ガイド、ローラー、ホルダー、ニードル、ブッシュ、電極、給電子、ノズル、プラグ、ボールバルブ、ベアリングボール、ホットランナーノズル |
その他 | セラミック、カーボン部品 |
CVDセラミックコーティング膜の特徴
- 【TiC/TiCN/TiN(多層コート)】:耐焼付性、耐摩耗性、耐食性の要求される分野へ
- 【TiC】:耐摩耗性の要求される分野へ
- 【TiN】:耐摩耗性の要求される分野へ
CVDコーティングの処理可能な基材材質
CVDコーティングは、900~1000℃の高温処理です。材質によってコーティング後の熱処理を行っております。材質・形状等によって、処理が異なりますので、別途ご相談下さい。
材質 | 種類 |
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高速度工具鋼 | SKH51~57(YXR3, YXM7)、粉末HSS (ASP20, 30, HAP10,20,40, DEX20,40) |
冷間ダイス鋼 | SKD11(SLD, DC11)、SKD11相当(SLD8, HPM31, DC53, PD613)、SKD12 |
熱間ダイス鋼 | SKD61(DAC,DHA) |
マルテンサイト系ステンレス | SUS420J2(STAVAX,HPM38)、SUS440C (ELMAX) |
超硬合金 | 超硬合金(ソリッド) |