CrN(表面処理技術)

金型、機械部品等へ、優れた耐焼付性、耐食性、耐高温酸化性、摺動特性を与えます。
耐焼付性、耐食性及び耐高温酸化性を合わせ持ち、プレスや樹脂金型、機械部品などに、新しい用途開発が期待される表面処理技術です。

※日本コーティングセンター(株)製品:特許第2004785号

CrN膜とは

PVD-イオンプレーティング法によるCrNセラミックスコーティングは高硬度・耐摩耗性に優れたセラミックスの性質と、さらに耐焼付性、耐食性及び耐高温酸化性を合わせ持った新しい表面処理技術です。常温または大気中での耐摩耗性ばかりでなく、高温あるいは腐食環境下でも優れた特性を示します。

CrN膜の特性比較

膜種CrNTiNCrめっきNi-Pめっき窒化
色調銀白色金色白銀色白銀色
硬度HV2000~23002000~2400800~1000600~1000600~1200
耐摩耗性
耐焼付性
耐食性
耐高温酸化性
用途機械部品、
金型
切削工具、
金型、
機械部品
機械部品機械部品機械部品

CrN膜の特性


耐摩耗性

ファレックスNo.1摩耗試験(リング・ブロックタイプ)機を用いた摩耗特性を右図に示します。基材はSUS304を用い、無潤滑・室温条件下で評価しました。CrNの摩耗幅はTiNの半分以下です。また、摩擦係数はSUS304基板が0.5~0.6であるのに対して、CrNは0.15~0.35、TiNは0.3~0.55となっています。


耐焼付性

ファレックスNo.2摩耗試験(ピン・ブロックタイプ)機を用いた摩耗特性を右図に示します。基材はSUS304を用い、200kg荷重、50rpm、無潤滑・室温条件下で行いました。摩擦面での焼付によるかじり発生までの時間を比較したところ、CrNはTiNの15倍の耐久性を示しました。これはCrNが摩擦摩耗により発生する熱に対して優れた耐酸化性を持っているためです。


耐摩耗性

ファレックスNo.1摩耗試験(リング・ブロックタイプ)機を用いた摩耗特性を右図に示します。基材はSUS304を用い、無潤滑・室温条件下で評価しました。CrNの摩耗幅はTiNの半分以下です。また、摩擦係数はSUS304基板が0.5~0.6であるのに対して、CrNは0.15~0.35、TiNは0.3~0.55となっています。


耐焼付性

ファレックスNo.2摩耗試験(ピン・ブロックタイプ)機を用いた摩耗特性を右図に示します。基材はSUS304を用い、200kg荷重、50rpm、無潤滑・室温条件下で行いました。摩擦面での焼付によるかじり発生までの時間を比較したところ、CrNはTiNの15倍の耐久性を示しました。これはCrNが摩擦摩耗により発生する熱に対して優れた耐酸化性を持っているためです。

CrN膜の適用例

対象部材使用目的コーティング基材効果
ロッド電蝕防止SUS304大幅な寿命延長
コレットチャック耐摩耗SCM4405倍効果あり
プレス型部品カム
ピン、ホルダー
かじり防止超硬合金、SKD11オイルレス化
船舶用ノズル耐高温酸化
耐低温
SUS316L、SCM420燃焼ガスによる熱酸化
低温部の硫酸ミスト腐食防止
Al押し出しダイス耐熱
耐摩耗
SKD61、超硬合金現状はSKD61を窒化
ピストンリング耐摩耗
耐食
SUS440長寿命化
排ガス腐食に効果あり
ミシン部品耐摩耗SCM415長寿命化
クランクシャフトピン耐摩耗Al合金軽量化に効果あり
コンロッド耐摩耗Ti合金軽量化による騒音改善