マシンシャットオフノズル（タイプBHP）

このBHP タイプ（油空圧マシンボルト式シャットオフノズル）は、熱可塑性樹脂の加工に使用します。

標準的なシャットオフノズルは、サイクルタイム削減など、溶融樹脂のノズル内でのシャットオフの動作によるメリットを享受してきました。BHPノズルは、従来のニードル式シャットオフノズルに比べ、大口径の流路を確保できるようシステム設計しました。これによってニードル式シャットオフノズルに比べはるかに大きい流路が獲得でき、圧力損失を低減することができました。また、シンプルな単一チャンネルの採用により、ニードルシャットオフ機構に見られる並走流も回避することが可能となります。
また、単一チャンネルシステムでは、ニードル式シャットオフノズルに比較し、ユニットのクリ―ニングが非常に短時間で完了します (オープンノズルに近似)。

BHP ノズル最大動作データ

射出率	ポリスチレン換算(PS) BHP0 500cm3 /s BHP1 3500cm3 /s BHP2 5000cm3 /s
射出圧	3000bar (400℃)
適応樹脂	熱可塑性樹脂 (PVC非対応)
シャットオフ方式	空気圧・油圧駆動一体型 2 wayアクチュエータによるボルト式シャットオフ

応用分野

容器、自動車・レジャー産業、医薬品産業や電子装置など

適用効果

抑制効果	• 計量時の溶融樹脂の漏れ • 竪型機における樹脂漏れ
生産性向上	• サイクルタイムの短縮 、生産性の向上 • 製造時における信頼性、再現性の向上 • 背圧上昇によるユーザビリティ – 均質性の向上 • アドオン性能 (ツール側)
プロセス制御	• アクチュエータにオプションでピストン位置センサーを 取り付け、ノズルの「開」「閉」を確認します
オプション	• フィルタ―モジュール • ミキサー • GIT (ガス注入技術) • アクチュエータのピストン位置センサーによるプロセス監視

動作

一体型アクチュエータ (空気圧・水冷/油圧駆動)が、リンク機構を経由して、流路と直角に配置されたボルトを制御します。このため、シャットオフ機構はスクリューの動きとは分離され独立しており、またボルト方式は過剰な圧力がかかると自動で確実にノズルが開く設計になっています。

しかしながら、ニードル式シャットオフシステムと比較すると、ボルト式はその機構が故にオリフィスの位置より後方に設置せざるを得ません。このため、前部に制御できない空間が発生してしまいます。それにより、残念ながらデメリットも発生してしまいます。この空間が出来てしまうことで、ハナタレや糸引き防止能力の低下、発泡成形の不適などの原因となり、適用を避けるべき事例もあります。

後述しますが、フィルター、ミキサー、ガスアシストの採用によって、BHPシャットオフノズルの製品範囲を広げることが可能です。

※本資料の数値は、標準用途を前提として記載しています。

タイプBHPの特徴

長所	• すばらしい色替え特性 • 樹脂圧の変動に関わらず、独立した制御でノズル開閉が可能 • 最大射出圧: 3000bar (400℃) • 高いインジェクションレートが実証されたシャットオフ • 堅牢で信頼性の高い設計 • 既存のオープンノズルのついた金型に対応可能 • コンパクトで交換可能なデザイン
短所	• 一体型アクチュエータのスペースが必要 • マニュアルに沿ったオペレーションを行うため、一定度の技能が必要

一体型アクチュエータ

一体型アクチュエータのメリット	• 設置時のトラブルが無い • ストローク調整、荷重調整などが不要 • ノズルおよびシリンダー間のアライメント調整が不要
一体型アクチュエータの注意点	油圧駆動の場合、シリンダーの冷却が必要 • ヒーターから至近距離にあるため、シリンダーの温度が上昇します。そのため、オイルが劣化しないように、シリンダー温度を20-60 ℃の間に保つ必要があります。

フレキシブルパイプ

アクチュエータは、ノズル開閉を行う際にスムーズな動きを確保するため、フラセになっています。鋼管での配管や、過度な締め付けによってこのフラセを制限すると、ピストンロッドが短期間で摩耗する場合があります。このため、配管は必ず柔軟性のあるフレキシブルパイプによる接続をお願い致します。

当社推奨部品

推奨される部品は、当社の DKOS M16*1.5 接続口です。理由は以下の通りです: • アクチュエータのフラセが制限されない • マシン側と簡単に接続できる • さまざまな接続が利用可能 (R1/8インチ R1/4インチ Rp1/8インチ) • 最大 200 bar の動作圧力 (250℃)を確保

マシン側のアクチュエータ

マシン側に駆動原が搭載されている場合、取り付けおよびノズルとの接続 (レンジ、荷重、アライメント) は、慎重に行うようにしてください。スムーズでトラブルのない動作のために、以下の要件を満たすようにしてください。

2ウェイアクチュエータ	BHP0	BHP1	BHP2
レバーへの最大荷重	800N	900N	4000N
シリンダーでの最小ピストンストローク	18mm	20mm	40mm

部品のアライメント

金型との接触の回避

(mm)	BHP0	BHP1	BHP2
P	71	77	132
Q	57	68	93
S	84	96	175
T	87	115	201
K	チップ長はポケットの深さによって異なります。深い場合、チップ長を長くすることで衝突を回避できます。チップ寸法Kを確認願います。　チップの標準については、以下の表を参照してください。

 

標準的なチップスレッド&チップ長

寸法（mm)	ノズルサイズ
	BHP0	BHP1	BHP2
スレッド	M30 * 2	M39 * 2	M50 * 3
スレッド長	18	30	40
パイロット直径および長さ	Ø25 / 8	Ø35 / 8	Ø42 / 10
吸入口直径 Ø	8	12	20
K寸法 (mm)	30, 55	50, 100, 150	50, 100
バンドヒーター最大長	- -, 20	- - , 35, 35(2x)	- - , 50
バンドヒーター内径Ø	35	42	50

オプションの追加機能

溶融樹脂フィルター ＞ノズル内で異物を除去
原材料に混入した異物（金属片）、溶融樹脂の最終フィルタリングが必要となる場合があります。
標準的なHerzog®の溶融樹脂フィルターは、微細な穴を有したスクリーンフィルター（ホールフィルター）、ギャップフィルターで構成されています。最小限の圧力損失となるよう設計されています。

溶融樹脂フィルターの機能

溶融樹脂は、十分に確保された流路 (赤) を通じてフィルターへ導入され、そこを通過して流れていきます。ホールやギャップより大きい異物は、ガイドダクト内に留めおかれます。フィルターを通過した清浄な溶融樹脂は、オリフィスを経由し射出成型金型に流れていきます。

オプション

ギャップ/櫛形フィルター設計
小さなギャップ（櫛形）の構造設計によって、極めて薄かったり長かったりする異物も未然に混入を防止することが出来ます。

• アクチュエータへのセンサー取り付け＞プロセス制御

センサーはアクチュエータ内のピストン位置を検出し、ノズル「開」「閉」の位置を確実に検出します。

※詳細は別途お問い合わせください！

動作データ&寸法

動作データ	ノズルサイズ
	BHP0	BHP1	BHP2
最大射出率 (㎤/s) - ポリスチレン (PS) による	500	3500	5000
スクリュー直径 (mm) –概算	最大50	50-120	最大200
ノズルタッチ (kN)	120	160	260
最小ノズルオリフィス (mm) - 最大射出率時	Ø4	Ø7	Ø10
閉鎖ノズルによる背圧	400 bar	200 bar	400 bar
最大射出圧/温度	3000 bar (400 ℃)

主な内容	標準的な寸法 (mm)
ノズルサイズ	BHP0				BHP1				BHP2
K チップ長 (要求に応じて他のサイズ可能)	30, 55				50, 100, 150				50, 100
N本体長	138				176				314
I温度センサー	M8*1 タイプ K(NiCrNi)あるいはタイプ J(FeCuNi) ケーブル4 m
J特殊本体バンドヒーター (図面に応じて製作)	ø60*75 520w				ø80*100 1100w				ø110*200 2000w
P	71				77				132
Q	57				68				93
R空圧配管	G1/8インチ
Rオイル配管	G1/4インチ
R冷却水配管	G1/8インチ				G1/8インチ				G1/4インチ
S	84				96				175
チップなしのオプション版–お客様独自のチップ寸法
a 最大スレッドØ	40				60				80
b パイロットの長さを含めた最大スレッド長	30				35				60

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